装置紹介
抵抗加熱蒸着装置は、物理蒸着(PVD)装置の中核的なタイプであり、主に真空チャンバー、抵抗加熱蒸着源、真空システム、基板ラック、温度制御システムなどで構成されています。
動作原理
動作時には、まず真空チャンバーを所定の真空度に排気し、次に電流を通して抵抗加熱素子を加熱し、加熱素子上に置かれた蒸着材料(金属、合金、化合物など)を溶融・気化させます。気体原子または分子は直進し、被膜を施す基板の表面に堆積し、最終的に均一な膜を形成します。
主な特徴
構造がシンプルで操作が容易であり、主要コンポーネントが少なく、メンテナンスコストが低いです。
高い加熱効率、急速な温度上昇を特徴とし、材料を迅速に気化させることができ、比較的短い成膜サイクルを実現します。
装置の購入価格は、電子ビーム蒸着、マグネトロンスパッタリングなどの装置よりも低く、運転時のエネルギー消費量も比較的低いです。
主な用途
光学分野: 光学レンズ用の反射防止膜や反射膜の作製、例えば眼鏡レンズやカメラレンズ用の単層または多層光学膜など。
電子分野:半導体デバイスや電子部品用の電極膜や導電膜の製造、例えば集積回路リードやコンデンサ電極用の金属膜など。
装飾分野:プラスチック製品、ハードウェア部品、ジュエリーなどの装飾膜のコーティング、例えば携帯電話ケースやアクセサリーの金銀コーティングなど。
その他の分野:包装材料の表面へのアルミニウム膜コーティングの研究(食品包装用アルミ箔など)、センサー表面への機能性膜の作製、および実験用サンプルへの成膜。